岡田 進の日本海クロダイロード
主役はマダイ・津軽半島小泊の秋
「岡田さん、まだ波が高いから、ここで待機して居てください」と竜飛岬の小泊、橋本渡船の船長に言われて降りた釣り場は地方よりの浅い釣り場だった。しかし、この待機の意味だが、他の釣り場を探してくれているのか、あるいは波が落ちるまでここで竿を出して待てと言うことなのか分からない。30分ほど待ったが船が来ないところをみると、どうやら静かになったら迎えにきてくれるようだ。 赤岩だか赤島だったか覚えていないが大きな磯で沖向きはマダイが狙えそうだが、沖向きまでの行程は山越えでアップダウンが厳しく、とても私には行くことができない。そして待機と言うからには磯替えする可能性が高い。そんな訳で船着場に釣り座を構えたのだが水深もあまりなく、潮通しも悪そうで、クロダイは釣れてもマダイは???・・・しかし、時期的にはマダイは地方寄りの浅場でエサを捕っていることが多いので、マダイに備えてワンランク上げたタックルを準備する。 私の右に最近チームウキ工房の青森支部に入会した新人のYさん、左に「ヘルニアだから動きたくない」と地元の工藤さんが入り、その隣に埼玉から同行の北村さんが入る。しかし、私を筆頭に還暦超え3名とヘルニア持ちといずれも介護が必要そうな4名が並んだ訳だ。この最狂?イヤ「最弱」メンバーだからきっと何かが起こるはず!・・・、 この日、私のスタート時の仕掛けは「極翔硬調黒鯛1.5‐53」にウキは近日中に発売予定のカン付きウキ「フィールド・プラス」のSサイズで浮力は00をセットし、ノーシンカーで上層から底まで送り込んで、その落ち込みでマダイを狙う作戦だ。とは言っても私はマダイに限らず、クロダイでもメジナでもほとんど同じ仕掛けで、違いと言えばハリスや竿だけだ。これはサカナはどこ(タナ)で食ってくるかわからない。でもガン玉を付けないでゆっくり沈めて行けばどこかで食うだろうと言うズボらな私にはぴったりの仕掛けだ。 逆光で釣り場の様子はまったく分からないが竿1本半ほどの水深はありそうだ。そこで上層から底までを狙って竿1本半にウキどめを付けてスタートする。そしてしばらくするとYさんが25cmほどの赤ちゃんマダイを上げる。 「Yさん、タナいくつ?」 「竿1本半です」と言う。竿1本半、つまり底付近でチャリコと言うことは大型はもっと浮いている可能性が高い。そこで竿1本(5m)ほどまでウキどめを浅くして仕掛けを入れると10mほど流れ、ウキどめまで誘導して仕掛けが馴染んだ。ここでミチイトを張るとウキがわずかにシモった状態をキープして流れる。このウキはヘッド部がナナメのため、一旦潜らせると浮き上がりにくい形状で青森でも狙い通りの仕事をしてくれた。そして数分後、竿をひったくり潮下に走るアタリ!・・・ 「Yさん、すみません、ちょっと竿を上げてください」と言い、Yさんの釣り場で54cmのマダイを取り込む。待機場と言われていただけに中型でもうれしい!・・・青森の海からのプレゼントをキープし、再開すると、この後、エサがもたなくなるがしばらくするとエサが残り、手のひらから30cm前後のチャリコが上がり、このチャリコを上げるとまたエサ取り・・・この繰り返しで時間が経過し、やがて潮が止まりチャリコの食いも止まる・・・そしてエサももたなくなる。 そこで練りエサ(マルキューの食わせ練りえさ・チヌ)に変えてベタ底でクロダイ狙い・・・するとすぐにアタるがクロダイでは無く、35cmほどのマダイ!・・・そして同サイズのクロダイが上がる。本来なら潮止まりは私も釣り止り?・・・なのだが、せっかく青森まできたのだから潮止まりでもクロダイくらいは釣れるはずと頑張っての釣果だ。 これまで私にはそこそこアタリはあるが、他の仲間はサッパリ!・・・本命視された沖向きや港向きの先端もチャリコばかりで中型も食わないようだ。 工藤さんの私の隣に座り込む。 「食ってもチャリコばかりだ、なんで岡田さんの方が全体に型がいいんだ?」 「チャリコが食ったタナをいつまでも狙っているからだよ。深ダナでチャリコだったら大型は浮いている可能性が高いし、浅いタナでチャリコだったらタナを深くしないとダメだよ」 「へぇ〜、でっかい方がタナは深いと思った。」 「大型は遠く、深く・・・こう思っている人が多いけど浅く、近くを狙った方が簡単だよ、遠く、深くはそれだけ難しくなる」 「仕掛けは?」 「タナが分からないからノーシンカー、工藤さんは2段ウキが得意なんだから下ウキを00にして落ち込みを狙ったら」とアドバイス。しかし、このアドバイスを後悔・・・この後、型はイマイチだが、マダイ、クロダイを連発し、翌日のMFG懇親大会ではマダイの大物賞まで手にしてしまったのだ。(あぁーあ、教えなければ良かった) 今回のドジ話 ネタ提供 岡田 進 この日、納竿間際に大型がヒット!・・・60〜70mほど潮下に走ったため、右隣のYさんに竿を上げて貰って取り込みにかかった。10分近くかけてようやく足元まで寄せると70cmはf軽くオーバーしたマダイが横たわった。 「70cmはあるね」と工藤さん。その言葉にYさんが竿を持ったまま前に出て覗き込む!・・・「アッ」・・・とき既に遅し・・・Yさんの竿先にブラさがるウキが私のミチイトにクルクル!・・・そして再びマダイは右のワンド根ざして突進!・・・右に移動したくても竿を右に倒したくてもYさんがカベに!・・・そしてレバーを離してもミチイトが絡んでいて糸が出ない。そして結果は皆さんのご想像通り・・・明日があるさと望んだ翌日の裏竜飛はフグの猛攻で1時間後にはバッカンを洗って磯でフテ寝。でも楽しい青森釣行でした。 |