「デルタ‐1」徹底解剖!
環付き円錐ウキ「デルタ‐1」が2006年ウキ工房から発売されました。
良く言われる環付きウキの長所といえば「糸落ちが速い!」「仕掛けの交換が楽!」「道糸が風の影響を受けにくい!」などが挙げられますが、その中でも1番の人気の理由はやはり!「糸落ちが速い」(糸落ちの抵抗が少ない)ということだと思います。もちろん「デルタ‐1」もその長所に着目し、岡田進氏と一緒に研究開発を行ってきました。
形状を「下膨れ」、取り付け方法を富士工業の「SICラインスイベル(楕円型)0・7」をセットすることにより、スイベルがウキの下に位置し、ウキの重心が下がり姿勢も安定。更に、潮に反応しやすく水中でのフラツキを抑えるようになるので、沈め釣りや本流釣りにも対応できます。
それに加え、ウキの頭にケミホタル25がセットできるようになっていますので、東北方面のマダイや離島の大型尾長メジナ・イサキ釣りなどの「夜釣り」にも対応できるようになっています。
【「デルタ‐1」の長所。】
環付きウキの人気が1番の理由・長所といえば「糸落ちが速い!」(抵抗が少ない)と述べましたが、その理由を簡単に説明すると・・・
糸をパイプ状の穴へ通す円錐ウキは、糸が「線」の抵抗をうけるのに比べ、環に糸を通す環付きウキは糸が「点」の抵抗しか受けないので、糸の受ける抵抗が断然違うのです。そのため、仕掛けの糸落ちが早くなり、なおかつ、ウキ止め無しの「誘導仕掛け」で使用した場合などは、魚がエサを食ったときの引き込み抵抗が小さくなるという利点があるのです。
クロダイ釣りにおいて、抵抗が少なくなるという事は、風・潮・波などいかなる抵抗があっても、付けエサを確実にクロダイのいるであろうポイントまで運びやすくなると同時に、クロダイが付けエサを口にした際に食い込み抵抗が軽減されるので「最大の長所」になるのです。
また、ウキの形状を「下膨れ」にしたことによって、他のドングリ型のウキよりも潮をつかみやすく、わずかな吸い込む潮や潮の変化にも反応するので、コマセの溜まるポイントを見つけやすくなり、更にウキが潜り始めた時にそのまま沈ませて送り込んでいくことによって付けエサをクロダイの口元まで届けられるのです。
それに加え、状況の急変にもウキの交換がワンタッチでできるので、ウキの交換時間を気にせず即座に対応できるのも長所になるでしょう。
【「デルタ‐1」の有効な使用方法。極意は「張り」にあり!】
先に述べた「長所」や「利点」を理解していただければ、後はそれらを最大限に生かしてクロダイを釣るだけなのですが、使用するにあたっての注意点があります。
『第一の注意点。』
それは、ウキが潮をつかみやすい形状のため、フリーで流すと付けエサよりもウキが「先行」しやすいのです。それを防ぐには、ウキの動きをしっかり抑えて付けエサを先行させるために仕掛けを「張る」ことなのですが、潮が早い状況などでは仕掛けが浮き上がりすぎることを防ぐためにガン玉を使用することも必要になってくる場合もあります。
また、ウキの動きにわずかな変化があり「潮に反応したのか?」「魚のアタリなのか?」と判断がつかない場合も「張る」ことにより「潮に反応させてそのまま送り込む」や「違和感を無くし魚に食い込ませる」と、どちらにおいても釣り人にとって良い条件になるのです。
この他にも「張り」を作ることによっての利点は多く、仕掛けが直線に近くなりアタリを出しやすくするのと同時に、付けエサを動かし「誘い」にもなりますので頻繁に行うこと良いでしょう。
『第二の注意点。』
ウキに完全な変化(魚のアタリ)が出た場合、中通しの円錐ウキに比べて極端に抵抗が少ない分、魚が付けエサをチョッとくわえるだけでウキに大きく反応が出てしまいます。ここでアワセるとスッポ抜け・・・それを考慮し、円錐ウキを使用している場合よりも遅くアワセなければならないのですが、ここでも仕掛けに「張り」を作ることがポイント。魚が付けエサを食い込み反転したのを竿先で感じてからアワセる事により確実にフッキングできるでしょう。
【「デルタ‐1」のラインナップ】
「デルタ‐1」のラインナップはS・M・Lの3サイズに、クリアーオレンジ・クリアーイエロー・クリアーピンクの3カラー。
Sサイズのみ−00(マイナスゼロゼロ)から5Bまでの9種類。M・Lサイズにおいては−00(マイナスゼロゼロ)から1号までの11種類のラインナップが用意されています。
この多くのラインナップにより、さまざまな状況においても使い分けができるようになっており、より確実にクロダイを手にすることができると思います。
また、今後はさらにその幅を広げられるよう新たなる環付き(仮称「デルタ‐3」?)を研究開発しておりますので、期待してお待ち下さい。